ISO/TC8/SC6 (船舶及び海洋技術専門委員会/航海及び操船分科委員会) サンクトペテルブルグ会議概要

第 10 回 ISO/TC8/SC6
(船舶及び海洋技術専門委員会/航海及び操船分科委員会)
サンクトペテルブルグ会議の概要

第 10 回 ISO/TC8/SC6 会議は、2015 年10 月26~30 日に開催したISO/TC8 総会との合同開催として、2015 年10 月27 日に開催されました。

この会議には 5 カ国(日本、中国、デンマーク、韓国、ロシア)、1 リエゾン(BIMCO)から17名が参加し、日本からは、SC6 議長の今津隼馬 氏(東京海洋大学名誉教授)の他、当協会から、常務理事の三谷泰久、SC6 事務局の長谷川幸生および基準・規格グループの松本怜大の計4 名が出席いたしました。

この会議の結果、主に次の決議(resolution)を作成いたしました。

1. 本会/航海分科会と日本舶用工業会/新スマートナビゲーションシステム研究会との共同で作成した、ISO19847(実海域データ共有化のための船内データサーバー要件)およびISO19848(船上機械および機器用データ標準)の新規国際規格としての開発着手が承認されたことを受
け、この作業を実施する国際委員会ISO/TC8/SC6/WG16(船内機器用情報系ネットワーク装備指針作業委員会)の議長に航海分科会委員並びに新スマートナビゲーションシステム研究会の幹事長である諸野普氏(寺崎電気産業株式会社)が就任(SC6 Resolution 54)。

2. 2015 年9 月1 日付で適用となったEEDI 検査・認証ガイドラインでは、海上試運転の実施・解析法として、日本が作成を主導したISO15016:2015(試運転速力補正方法)を用いている。ISO15016:2015 の開発にあたっては、国際試験水槽委員会(ITTC)と共同で作業を実施しており、規格制定3 年後に見直しを行なうことを合意している。この国際規格の開発はISO/TC8/SC6/WG17(速力試運転解析作業委員会。議長は髙木健氏(東京大学))で実施したが、ISO ルールでは担当国際規格の開発が完了次第、WG を廃止することになっているが、3 年後の見直しに向け、WG17 を存続させることを日本から提案し、各国の賛同を受け、WG17 を存続させることに合意(SC6 Resolution 56)。

3. TC8/SC6 は、今回の会議用に提出されたIEC/TC80、TC8/SC6 傘下のWGs およびSC6 活動報告を確認(SC6 Resolution 52)。

4. BIMCO は、自身が提案したISO/PWI20689 "Installed system onboard ships"(古い航海機器の更新に係る標準化。名称のみで具体的内容はなし)に関して、適切なProject Leader がおらず、且つBIMCO としてはサイバーセキュリティに現在取り組んでいるところ、この提案を取り下げたいことを提案し、これを承認した。この際、旧TC8/SC5(船橋配置分科委員会。現在は廃止されている)から移管された "Electronically generated field of vision"も合わせて廃止することに合意(SC6 Resolution 53)。

5. 日本提案のISO22472(VDR 装備指針)をFDIS 段階へ進めることに合意(SC6 Resolution 55)。

6. TC8/SC6 は、ISO 定期見直し(5 年毎に実施)の対象となった2 件の既存国際規格(ISO8729-1:2010(Passive 型レーダ反射器)およびISO10596:2009(船用風向風速計)。共に日本提案)の確認(現状維持)を決定(SC6 Resolution 57)。

7. TC8/SC6 は、操縦性能を定めたISO13643 Series への誤記訂正を求めるドイツ意見に基づく正誤票(Technical Corrigendum)発行を決定(SC6 Resolution 58)。

 この会議の詳細につきましては、当会会員専用ホームページ(https://www.jstra.jp/member/)をご参照ください。

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