国際海事機関(IMO)における安全・環境規制の策定に戦略的に対応するため、IMOの基準の動向、また、これに関連する国際標準を策定する国際機関(ISO/IEC)の重要規格の動向、さらに、海事分野を取り巻く環境の変化を総合的に把握し、国際基準の策定に関する調査研究を実施しています。 |
IMO International Maritime Organization (国際海事機関)
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海事に関する国連の専門機関で、海運や船舶に関する安全、環境等の国際ルール(国際条約等)を策定することを主たる目的としています。IMOで策定された国際条約として、海上人命安全条約(SOLAS条約)、海洋汚染防止条約(MARPOL条約)などがあります。 |
日本船舶技術研究協会の取り組み
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国際基準の制定にあたっては、確かな技術に根ざした科学的な視点から、海事産業全体にとって最も合理的なものとすることが重要です。 我が国は、世界有数の海運・造船国であり、かつ、安全・環境に対する高い技術力を持っています。 国際社会より安全や環境に関する基準策定への貢献が強く期待される中、我が国の産・学・官の英知を集め、最先端の研究及び技術と知識を活用して、海事産業にとって最適な国際基準案を日本提案としてとりまとめ、IMOでの議論の基とするものです。 |
様々な国際会議への参加
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IMOで開催される委員会や小委員会など、我が国の海運・造船にとって重要な審議が行われる様々な国際会議に積極的に参加し、日本提案の実現や日本の意見の反映に向けた対応を鋭意行っています。 |
IMO委員会/小委員会での提案や説明及びロビイング 各国関係者との意見交換を通じた国際動向の調査 国際基準策定に関する国際協調への取り組み 海運業界や造船関係業界が集う場での基準の動向調査 |
本年度の調査研究プロジェクト
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国際海事機関(IMO)における安全・環境規制の策定に戦略的に対応するため、特に重要と考えられる課題に基づく9の柱を定め、それぞれプロジェクトを設けて対応しています。 |
IMO GHG削減戦略への対応
2018年4月、IMOのMEPC72において、国際海運からのGHG排出効率を2030年までに40%改善し、2050年までに排出量を半減させること等を盛り込んだGHG削減戦略が採択されました。これを受けて、国内海事産業への影響も十分に踏まえながら、これらの目標の達成に向けた具体的な対策をIMOへ提案し、実現するための調査研究を行っています。 海洋水質・生態系保護基準整備
船舶からのEFCS、バラスト水などの各種排水による海洋水質・生態系への影響低減・防止のための規制について、科学的な根拠に基づき合理的なものとなるよう必要な調査研究を行い、IMOへの戦略的な発信等を行っています。 水中騒音対策検討
船舶の水中騒音及び海中雑音の計測・分析等の調査研究を行い、船舶による水中騒音の実態把握(船種・サイズ・建造国による傾向の違い等)を進め、これらの実態把握を踏まえ、我が国の騒音低減技術の商機拡大も視野に入れ、IMOでの議論に対応するための調査研究を実施しています。 自動運航船の開発・実装に係る制度の研究
2021年に終了予定の自動運航船の諸規制に係る論点整理(Regulatory Scoping Exercise)の結果を踏まえ、自動運航船の実現に向けた作業項目の整理を行うと共に、自動運航船の実用化に向けた必要な性能基準等の検討を実施しています。 航海設備近代化に伴う関連基準の検討
2021年にIMOにおいてGMDSS(Global Maritime Distress and Safety System: 海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)の見直し・近代化の検討がIMOで進められています。このため、IMOでの関連審議に積極的に参画し、関係業界との調整を行いながら、我が国の意向を反映する形でGMDSS見直し・近代化が行われるよう調査研究を行っています。 ガス燃料船・新液化ガス運搬船基準の策定
液化ガス燃料を始めとする低引火点燃料を使用する船舶に関する安全基準「国際ガス燃料船コード(IGFコード)」の安全要件、代替燃料(アンモニア&水素)船の安全規則及び水素燃料電池船の安全ガイドラインの見直し等に係る審議について、我が国の知見及び意向を反映させるために積極的に対応しています。 目標指向型復原性基準の策定
IMOにおいて検討されている非損傷時・損傷時それぞれの復原性基準に関し、第二世代非損傷時復原性基準案及び損傷時復原性向上提案の検証等を通じ、船舶の転覆等防止の観点から一層の安全性向上を図るとともに、我が国の船舶の設計や運航形態を考慮した有効かつ合理的な要件とすべく調査研究を行っています。 救命設備基準改正の検討
IMOでの救命胴衣、救命いかだ等の救命設備に係る基準の改正に適切に対応するために我が国の実態を考慮した有効、かつ、合理的な基準となることに資するための調査研究を行っています。 IMOフォロー
これまで行ってきた調査研究プロジェクトに関する事項のほか、我が国海事業界にとって特に関心の高い以下の事項について、IMOでの審議をフォローするとともに適切に対応するための活動を行っています。 |
●防火 ●船上揚荷装置及びアンカーハンドリングウインチ |
IMO外観 |
IMO会議風景 |
MEPC議長(日本小型船舶検査機構 斎藤英明 理事) |
船舶基準セミナー |
IMOセミナー 主賓、講師等 |
IMO事務局長表敬訪問 |