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船舶関係ISO等連絡会(第3回)の開催結果報告

 

 

 当協会では日本財団のご支援のもと、工業標準化(ISO、IEC等の国際規格及びJIS F規格)の推進に積極的に取り組んできております。

 近年、国際貿易における国際規格の役割の増大、IMOで策定される国際条約等と国際規格の関連性増大等、船舶分野の国際規格を取り巻く状況は大きく変化してきており、これまで当協会は船舶関係ISO等連絡会を開催し、ISO等を巡る最新情報を提供しております。

 このたび船舶分野の国際規格の開発を主に担当するISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)総会が2015年10月26日~30日にロシア/サンクトペテルブルグにおいて開催されたことを受け、このTC8総会の結果並びにTC8において開発中の代表的な国際規格案を紹介する連絡会を開催いたしました。

 開催結果の概要は以下のとおりです。

 

1.日時及び場所

  日 時:2015年12月16日(水)10:00 ~ 12:20

  場 所:日本財団2階 第1~4会議室(東京都港区赤坂1丁目2番2号)

  参加者:約60名

 

2.内容 

開会挨拶   三谷常務理事より、開会挨拶を行ないました。


講演 1. ISO/TC8(国際標準化機構/船舶及び海洋技術専門委員会)総会結果報告

     (当協会基準・規格グループ長 斎藤英明)

●   当協会における国際標準化への取組み、ISO/TC8サンクトペテルブルグ総会の概要 及び この総会で議論が行なわれた、新規分野への取組み 及び ISO/TC8の体制に関する詳細について報告しました。

 この連絡会は、国際標準化の最新情報の提供と国内対応委員会に参画いただいている海事関係者各位より直接ご意見を伺う場であり、増大・深化する国際標準化に我が国として臨機応変に対応するための助言提供を求めるとともに、ISO/TC8総会で議論が行なわれた ① Marine Cyber Safetyに関する規格開発の推進、② 漁船に関する規格開発の推進、③ 質量流量計に関する規格開発の推進 及び ④ 急速着脱機構に関する規格開発の推進などの新規分野への取組みを紹介しました。また、ISO/TC8の体制が2016年1月から変わることを紹介しました。


講演 2. TC8において開発中の代表的な国際規格案(4件)の紹介

・   ISO20283-5 旅客船及び商船の居住性に関する振動の計測,評価及び報告

・   ISO19030 船体及びプロペラ性能変化の測定

     (当協会基準・規格グループ 規格ユニット 矢加部文)

・   ISO20233 プロペラキャビテーション騒音評価試験法

・   ISO19847 実海域データ共有化のための船内データサーバー要件等

     (当協会基準・規格グループ 規格ユニット 長谷川幸生) 

●   この講演では、ISO/TC8で現在議論が行なわれている80件の国際規格案の中で、海事関係者各位に特に密接に関係すると思われる、① ISO20283-5(旅客船及び商船の居住性に関する振動の計測、評価及び報告)、② ISO19030(船体及びプロペラ性能変化の測定)、③ ISO20233(プロペラキャビテーション騒音評価試験法)及び ④ ISO19847(実海域データ共有化のための船内データサーバー要件)の4件について、国内対応委員会事務担当者から、規格案の概要、規格案の問題点、問題点是正に向けた国内対応委員会の取り組み及び国際審議状況などが紹介されました。



【質疑応答】

また、この講演を受けての質疑応答では、講演者と受講者との間で次の意見交換が行われました。


意見1: ISO20283-5(船舶振動)に関して、日本意見取りまとめに資するために実施した調査で得られたデータについては、船舶の大きさ別等、更に分析し、どこまでのレベルであれば対応が出来、または出来ないのかを把握して国際討議に臨むべきである。契約時にどのような条件で契約したかも大きな影響を与える要素であり、可能な限り考慮に加えるべきである。

回答1: 国内対応委員会委員各位のご意見を伺いつつ、データの更なる分析を行なうこととしたい。


意見2: ISO20283-5(船舶振動)に関して、IMOではこのISO規格で定めるような内容の審議は行われていないとの認識であるが正しいものか。

回答2: 同じ認識である。ただし、このISO規格案を作成しているコンビーナ(ドイツ)はIMOに提案すべきとの意見を持っている。日本としては提案予定は無い。なお、このISO規格案への国内対応については、日本造船工業会、日本中小型造船工業会及び国土交通省と連携して実施中である。


意見3: ISO20283-5(船舶振動)に関して、現在DIS(国際規格案)投票中とのことであったが、このガイドライン値については、そのままISO規格として制定される見込みか。また、小型の船舶で、伴流計測などのデータを保有していない場合、船体振動の予測はできない。

回答3: 本日の講演で紹介した調査結果に基づき、7月のパリ会合では、日韓で協力して規定値の緩和を働きかけた。議論の結果、プロジェクトリーダー(ドイツ)は、この規格はあくまで船員の労働環境の保護のためであること、フランス及びノルウェーが上限値を引き下げ、更に厳しいものとすべきと意見しており、日韓の意見と2対2で対立していることを理由に、ガイドライン値を動かさなかった経緯がある。一方、今年11月に新設されたASEFでは、この規格について今後ASEFとしてもフォローすることとなっている。DIS投票は、技術的コメントができる最後の投票であるので、どのような結果になるかは現時点では何とも言えない。船技協としては、来年度も調査研究の継続を計画しているところ、様々な角度から調査及び検討を進めたいと考えている。



【受講者アンケート結果】

 その他、受講者アンケートでは、両講演とも分かり易く、今後の業務の参考になった等概ね高評価を頂いたほか、今後も継続的且つ早急な情報提供を望むとのご意見、より広い範囲に情報を配信を望むとのご意見、及び 技術レベルが未完にも関わらずあれば便利という程度で他国からISO提案が安易に行なわれるケースがあることに不安を感じるとのご意見を頂戴しております。今後の当協会のISO国際標準化への活動に活かしたいと考えております。

 

第3回船舶関係ISO等連絡会 開催報告



以上

 
 


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