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              「ジェトロ海外事情報告会」の開催報告


    2010
1012日(火)13:3016:30に日本財団2階大会議室にて、(社)日本中小型造船工業会及び(社)日本舶用工業会との共催により、「ジェトロ海外事情報告会」を開催いたしました。 
 

                                           

          船技協・津田理事長の挨拶                           船技協・田中国際企画ユニット長か
                                                                              らのジェトロの役割等について紹介

   本講演会は、本会 津田理事長の挨拶に始まり、事務局からジェトロの役割、造船案件にかかる海外展開とODAについて紹介の後、小玉真一氏から「中国造船事情」、金子純蔵氏から「ベトナム海事産業の動向とインド・中東域等の造船所の概要」、小濱照彦氏から「パナマ運河拡張が海運・造船業に及ぼす影響」、大橋将太氏から「欧州の造船・舶用工業の概況と主なファミリー企業の企業戦略」について、それぞれご講演いただきました(講演要旨及び講演者プロフィールについては、別添参照。)。

当日は、約200名という多数の方々にご来聴頂くことができました。

       小玉真一氏の講演             金子純蔵氏の講演                 小濱照彦氏の講演

  
      大橋将太氏の講演                           「ジェトロ海外事情報告会」会場

報告会開催にあたり、多大なご支援・ご協力を頂きました日本財団をはじめとする関係団体、ご講演者及びご来聴いただいた皆様に改めて厚く御礼申し上げます。
 

 1.議事次第

a)開会

b)開会あいさつ(船技協・津田理事長)

c)ジェトロの役割、造船案件にかかる海外展開とODAについて(船技協・田中国際企画ユニット長)

d)中国造船事情について(小玉真一氏)

e)ベトナム海事産業の動向とインド・中東域等の造船所の概要について(金子純蔵氏)

f)パナマ運河拡張が海運・造船業に及ぼす影響について(小濱照彦氏)

g)欧州の造船・舶用工業の概況と主なファミリー企業の企業戦略について(大橋将太氏)

h)閉会

 

2.講演資料

 2.1中国造船事情について」

a) 中国造船産業は、2007年の新造船受注量が9,845DWTと世界第1位(41.6%)となり、名実ともに造船大国の地位を確立した。

b)  成長の背景には、造船産業を国家の戦略産業と位置付け、自国造船業の育成策を講じてきたことによる。

c)  近年の海運造船市況の高騰と相まって、2000年以降、造船事業の操業を開始した数は凡そ1,500(造船業:482社、修繕業:1,035)に及んだ。

d)  今後「造船大国」から「造船強国」への脱皮を図ろうとする中で、新造船受注量の激減、元高傾向等中国造船会社が直面している課題は多い。

e)  特に相反する地方経済の発展と設備過剰という難題に対し、地方政府がどのように対処していくのか、最も注目すべき事項と言える。

 

2.2「ベトナム海事産業の動向とインド・中東域等の造船所の概要について」

a) 2008年のベトナム海上貨物量は6000万トンと過去5年間に約2倍に増加した。ベトナム籍船数(2007年)は、250GTと前年50%増。

b) ベトナム国営船社のビナラインの売上額(2007年)は、約8億米ドルと過去5年間で2.3倍増。

c) ベトナムの造船業は、造船新興国(ベトナム、トルコ、インド、ブラジル)の中でもトルコに次ぐ竣工量(2009年)を誇る。

d) ベトナム造船業の約70%の建造能力を有するビナシン造船公社は約25の造船所を傘下にもつ。2008年の売上総額は、約19億米ドルと過去4年間で約4倍に急上昇。

e) この急激な成長は、世界第4位の造船国を目指したビナシン拡張計画(2001-2010年)に基づく投資効果によるもの。主要造船所の大規模拡張、新規造船所の建設などを積極的に推進した。

f) ビナシンは、この急成長を背景に、造船業以外の異業種(海運業、中古船販売業等)に事業を拡大させるが、これが経営を圧迫した。

g) 大型船や特殊船に偏りすぎた受注と技術力不足・設計力不足・低い生産性により納期が大幅に遅延し、更にはリーマンショックによる資金繰り悪化により、2008年を前後に急速に経営が悪化した。

h) 2010年6月には、ビナシンの12の子会社を国営のビナラインとペトロベトナムへ移管する再編計画を政府が発表。現在、経営陣を刷新し、政府の資金介入等により経営の安定化を模索中。

i) アジア、インド、中東、オセアニアの76造船所の概要を取り纏めたガイドブックを冊子化し配布。

 

 

 2.3「パナマ運河拡張が海運・造船業に及ぼす影響について」

a) パナマ運河は、2014年の開通を目指し、現在拡張工事(3閘門の設置)が進められている。

b) パナマ運河の通過量は、2008年度まで増加、2009年度は減少に転じている。

c) 船種・船型別では、パナマックス型が約4割となっているが、コンテナ船はパナマックス型の比率が高くなってきている。

d)拡張工事の前提となったパナマ運河庁の需要予測は2005年までのデータに基づいており、最近の経済状況等を考えると、そのとおりになるのは難しいのではないか。

e)また、ポストパナマックス型については、パナマ運河庁から発表されているものの、これを超えて第3閘門を航過できる最大船型については発表されておらず、パナマ運河庁のいうポストパナマックス型よりも大型船の通過が可能ではないか。

f) すなわち、ポストパナマックス型という新たな船型が生まれ、造船・海運業に影響を与えるのは間違いない。しかし、輸送需要が大幅に伸びない可能性があること、第3閘門完成後ポストパナマックス型を超えて航過できる最大船型が不明であること、競合する他のルートがそれぞれどのような努力をするか分からないこと等から、建造需要の面では、当面限定的になるのではないか。

 

2.4「欧州の造船・舶用工業の概況と主なファミリー企業の企業戦略について」

a) 主な国及び地域における2009年末のCGTベースでの受注残割合は、韓国32.8%、中国34.7%、日本18.0%、欧州6.9%、その他7.6%であった。

b) 2008年秋以降は、造船マーケットは非常に厳しい状況が続いており、 欧州においても2009年のキャンセルが、ドイツ、ルーマニアなどで発生しており、CGTベースでみると新規受注量を上回っている。

c) 欧州の造船業は、高付加価値船の建造のおかげで、前年に比べ2009年は、竣工量CGTベースで約20%減少したにもかかわらず、売上ベースでは約4%の削減に留まった。

d) 欧州の舶用業界は海外進出に積極的であり、近年では、オフショア市場を睨んで南米やインド等の新興市場へのセールス活動を強化。特にブラジルを有望視しており、舶用機器のセールス・ミッションの派遣等を実施している。

e) 欧州の舶用低速及び中速エンジンメーカーの2010年上半期の状況を見ると、需要回復の兆しがでてきている。

 

3.講演者のプロフィール

 講演者のプロフィールは、次のとおり(講演順)。

 小玉真一氏  第三管区海上保安本部 船舶技術部 技術課長

(前ジェトロ・大連事務所 船舶部長)

 

 ◎ 金子純蔵氏 (独)海上技術安全研究所 企画部研究連携副主管

(前ジェトロ・シンガポール・センター 舶用機械部長)

 

 ◎ 小濱照彦氏  財団法人 沿岸技術研究センター 企画部 特別研究員

(前ジェトロ・ニューヨーク・センター 船舶部長)

 

◎ 大橋将太氏 (独)海上技術安全研究所 動力システム系次世代動力システムセンター

 主任研究員

(前ジャパン・シップ・センター 次長)

 

4.本講演会に関するお問い合わせ先

 お問い合わせ先 : (一財)日本船舶技術研究協会  国際企画ユニット

           長谷川 TEL03-5575-6426 FAX03-5114-8941 e-mail: hasegawa@jstra.jp

 

   

 
 


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