一般財団法人 日本船舶技術研究協会 [Japan Ship Technology Research Association] HOME ENGLISH

船技協について 活動紹介IMO/ISO/IEC 報告書/セミナー報告 お問い合わせ
HOME>
 

第11 回 ISO/TC8/SC8(船舶及び海洋技術専門委員会/船舶設計分科委員会)
上海総会の結果について

 【審議結果概要】

1) SC8/WG12(船舶振動作業委員会/コンビーナ:Dr. Wenwei Wu(中国SSRC))
(検討対象規格:ISO/CD20154, 舶用補機の振動防止のための設計方法に関する指針):

 3 月24 日~5 月23 日の期間で行われたISO20154 のCD(委員会原案)投票で提出された日本及びポルトガル意見への採否検討が行われました。日本が提出した弾性支持の設計、低速エンジンの防振設計、基礎剛性数値化の困難さ、intermediate mass(中間マス)などに関する意見が採用され、日本意見案を反映した案をWG12 各国専門家に回章した後、2016 年10 月末までにDIS 段階に進めることになりました。

 また、TC108/SC2/WG2( 船舶振動作業委員会)で作成され、近日制定予定の
ISO20283-5(旅客船及び商船の居住性に関する振動の計測、評価及び報告)は、
ISO6954:2000(旅客船及び商船の居住性に関する振動の計測、報告及び評価ガイドライン)の改訂ですが、ISO6954 では、「それ以上の振動では苦情が出る可能性が高い値」及び「それ以下の振動では苦情が出る可能性が低い値」の2 種類の閾値を記載していました。ところがISO20283-5 では、ガイドライン値1 種類を閾値とし、この値を「最大値として捉えること」とされています。国内造船各社から提供された、国内の造船所で建造された主として貨物船の乗組員向け居住区画の振動計測を行った86 隻のデータに基づき、ISO20283-5 の適合状況等を日本船舶技術研究協会の2015 年度船舶関係工業標準化事業による調査研究として分析した結果、船橋(NB)の約18.1%、乗組員向け居室(CA)の約28.8%が基準を満たさないことが判明しました。      

 そのため、日本は、今回のWG12会議に於いて、居住区画振動に関する新規ISO 提案に関するプレゼンテーションを行い、最近TC108/SC2(船用振動作業委員会)で開発された居住区画振動評価に関する国際標準(ISO20283-5)の問題点を指摘すると共に、貨物船の居住性に関し、TC8/SC8 の下で適切な振動の測定方法、評価方法、報告方法を規定する新しい国際標準開発の必要性を説明し、参加各国が問題点を共有しました。

2) SC8/WG13(船舶騒音作業委員会/コンビーナ:Dr. Wenwei Wu(中国CSSRC))

(検討対象規格:ISO/WD20155, 補機ポンプ配管からの船舶騒音の測定):

 3 月24 日~5 月23 日の期間で行われたISO20155 のCD(委員会原案)投票で提出された日本意見への採否検討が行われました。日本が提出した「試験結果の判断基準がない」旨の意見への対応案がWG コンビーナより示され(新10 項及びAnnex の追加)、持ち帰り検討することになりました。また、SC8 議長からも編集上の訂正意見が出され、日本意見及びSC8 議長意見を反映した案をWG12 各国専門家に回章した後、2016 年10 月末までにDIS 段階に進めることになりました。

3) SC8/WG14(プロペラキャビテーション作業委員会/コンビーナ:Dr. Boha Lee(韓国KATS)、Project Leader:Dr. Cheolsoo Park(韓国KRISO))

(検討対象規格:ISO/WD20233, プロペラキャビテーション騒音評価試験法)

 当初のISO20233 案は日本にはない、大型プロペラキャビテーション水槽を対象にした内容でしたが、構造分科会/プロペラキャビテーションISO 規格検討WG で対応を行い、これまでの国際審議を通じて日本が提出した、① ITTC 基準(ITTC - RecommendedProcedures and Guidelines 7.5-02-01-05: Model scale noise measurements)との整合化、②国内で用いられているWire-mesh 法に関する規定の追加、③ 1 項(Scope)及び7.6 項(Other Option for Full-scale Noise Prediction)への経験式(Brown 式等)・数値流体力学(CFD)を援用した計算法等のすべての意見が認められ、日本意見の反映が終了している状況です。

 今回の会議の結果、日本意見がすべて反映された現状案のまま、日本要請に基づき DIS投票が行われることになりました。また、今回会議に於いて韓国は、キャビテーション水槽のノイズ測定法及び実船による船尾変動圧測定に関するISO 案を将来新たに提案することを表明し、これら案件に関しましてもプロペラキャビテーションISO 規格検討WG にて対応を行う予定です。 

4) SC8/TG(高マンガン鋼タスクグループ/主査:Dr. Kihwan Kim(韓国POSCO))
(検討対象規格:ISO/WD21635, 船舶及び海洋技術-船上小規模LNG タンクに用いる高マンガン鋼の仕様)

 このアイテムは韓国提案であり、2016 年2 月5 日~5 月4 日を投票期間としたNP 投票(新業務項目提案)の結果、ISO21635 案としての開発着手が承認されたため、当初開催予定ではありませんでしたが、NP 投票で提出された各国意見(日本のみ意見を提出)について審議を行うため、開催されました。

 今回の会議では上述の ISO 投票結果内容及び各国意見に対するProject Leader(韓国)の採否見解が示された他、今回審議で初めてISO ドラフトがプロジェクター投影にて提示されました。日本は、人命安全に直結する構造材に新材料を用いることへの安全性の確保の観点から、溶接部等への疑問及び質問を行いましたが、このISO 案には溶接の要件詳細やタンク構造としての安全設計法は定めず、高マンガン鋼(板、セクションや鍛造品)の母材仕様のみを定める内容とすることが確認されました。

 この ISO 案に関してはこれから具体的なドラフトの提示及び国際的な審議が行われる予定であり、本会としても新たな国内対応委員会を設置し、適切な対応を行う予定としております。

5) SC8(船舶設計分科委員会/議長:Dr. Seichang Lee(韓国元KR)、幹事:Mr.
Byeongcheol Choi(韓国KOSHIPA):

 前述の WG 活動報告が確認されたほか、SC8 議長の求めに応じて、日本は、WG12 会議に引き続き、居住区画振動に関する新規ISO 提案に関するプレゼンテーションを行い、参加国の賛同のもと、次の決議文(Resolution)が作成され、SC8 加盟国によりこの新規ISO 提案が必要であることが共有され、日本が新業務項目提案(NP)を行うことが承認されました。

 Resolution 31/2016 : NP proposal
 In consideration of the presentation(N 340) made by Japan on problems of the recently developed standard on the evaluation of vibration with regard to habitability and the proposal of the new standard development, SC 8 shares the information provided and agrees to initiate NWIP in due course.

 その他、中国は、ISO5894:1999(ボルト締め蓋付マンホール)の改訂(最新製造ニーズに基づく、各種寸法の変更及び新寸法の追加の他、溶接方法等全面的な改訂)及びアスベストなどの有害物質に変わるMarine bio-soluble mineral wool に関する新規ISO 案を将来提案する予定が報告されました。 

6) 次回 TC8/SC8 総会は、今回開催と同様にSC8/WGs と併催する形で2017 年2 月20~22日(IMO のSDC4 小委員会の翌週)にロンドンにて開催される予定です。

 今次会合での討議結果等、この会議の詳細につきましては、当会会員専用ホームページ(http://www.jstra.jp/member/)をご参照ください。

 
 


一般財団法人日本船舶技術研究協会
 
 


一般財団法人日本船舶技術研究協会
〒107-0052 東京都港区赤坂2-10-9 ラウンドクロス赤坂4階・5階 / TEL:03-5575-6425 FAX:03-5114-8940
Copyright (C) Japan Ship Technology Research Association. All Rights Reserved. 
サイトマップ
プライバシーポリシー