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37 ISO/TC 8(船舶及び海洋技術専門委員会)

コペンハーゲン総会結果概要

~スマートシッピングなどを重点項目としたTC 8戦略ビジネスプランを承認~

2018年10月2日

一般財団法人日本船舶技術研究協会

 ISO/TC 8(船舶及び海洋技術専門委員会)の第37回総会が、日本を含む14カ国及び3機関から約110名の参加のもと、2018年9月17日~21日にデンマーク/コペンハーゲンで開催され、TC 8傘下のSC及びWGにおける活動状況を確認するとともに必要な指示を行ったほか、TC 8として戦略的に取り組むべき案件についての審議が行われ、TC8戦略ビジネスプランが承認されました。また、併せて傘下の一部のSC(分科委員会)及びWG(作業委員会)も同時開催され、活発な審議が行われました。審議結果の概要は以下のとおりです。

参加国:日本、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、ドイツ、インドネシア、イラン、
イタリア、韓国、ノルウェー、ロシア、英国、米国(計14カ国)
参加機関:IACS [国際船級協会連合]、ILAMA [国際救命具製造者協会]、BIMCO [ボルチック国際海運協議会](計3機関)

 ISO/TC 8(船舶及び海洋技術専門委員会)は、ISOのうち、海事産業界全般に亘る国際標準を担当する専門委員会で、具体的には、外航船、内航船、及び沖合構造物その他海洋構造物を含む、船舶に関連した設計、建造、構成部材、ぎ装部品、装置、方法及び技術、並びに海洋環境関係の標準化を推進しています。
 TCの総会では標準化方針の検討等戦略に特化した審議が行われ、実際の国際規格の作成は傘下のSC/WGに付託されております。
今次会合には、我が国からは、日本代表団長の三谷泰久氏(当会常務理事)、ISO/TC 8/SC 2(海洋環境保護分科委員会)議長の千田哲也氏(当会審議役)、ISO/TC 8/SC 6(航海及び操船分科委員会)議長の庄司るり氏(東京海洋大学)、ISO/TC 8/WG 6(シップリサイクル作業委員会)主査の吉田公一氏((一財)日本舶用品検定協会担当部長)をはじめとする7名が出席しました。
また、併せて、我が国からは、日本が主導する分科委員会の活動状況及び我が国提案のISO国際規格案の開発状況について報告を行い、活発な審議が行われました。

1.総会における審議結果

1-1.TC 8戦略ビジネスプラン
傘下 のSC及びWGにおける活動状況の確認及びそれらに対する必要な指示を行ったほか、TC 8として、IMOの海上人命安全条約(SOLAS)や海洋汚染防止条約(MARPOL)等の国際基準と産業界の対応とを連携させる役割を担うこと、また、当該役割を果たすため、「海上安全」、「海洋環境保護」、「再生可能エネルギー」、「内陸航行船」、「スマートシッピング」、「新技術アプリケーション」、「レジャー産業」及び「科学研究」に関する国際標準化を重点項目とするTC 8戦略ビジネスプランが承認されました。

1-2. スマートシッピングに関する国際標準化
 TC 8戦略ビジネスプランにおいて、重点項目の一つに取り上げられている「スマートシッピング」に関連した国際標準化に関する審議が行われ、今年4月に当会主催により東京海洋大学越中島キャンパスで開催したISO/TC 8/WG 10(スマートシッピング作業委員会)会議での審議結果に基づき、以下3項目をTC 8の予備業務項目(PWI)とすることが合意されました。
 なお、次回TC 8/WG 10会議は2018年10月にロンドンで開催される予定です。

  • 「船陸間データ通信」(日本提案)

    概要:ISO 19847(実海域データ共有化のための船内データサーバー要件)で収集したデータを陸側と通信し共有するための機能要件を定めた国際規格。この標準化により船陸データ共有化を推進することを目的とする。

  • 「スマートコミュニケーションゲートウェイの技術仕様」(中国提案)

    概要: 衛星通信や移動通信の下で信頼性の高い船陸双方向通信を実現するため、相互に異なるコンピューターネットワークを接続する際の技術仕様に関する国際規格案。

  • 「IPv6 を基礎とした船舶ネットワークの技術仕様」(韓国提案)

    概要: IPv6 とは、従来のインターネットIPv4 において、IP アドレスが不足することが予想されたため、今後のインターネットの発展による接続機器の増大にも十分に耐えられるよう考慮されたインターネットプロトコル。本提案はIPv6を基礎としたネットワーク上の各種電子機器を相互接続するための最小限の実装要件を定めた国際規格。

1-3. サイバー安全に関する新業務項目提案(NP

 ISO/TC 8/WG 4(海事セキュリティー作業委員会)で作成されたサイバー安全に関するISO規格案(※)について新業務項目提案(NP)投票を行うこと及びこの投票期間を8週間(通常の投票期間は12週間)に短縮することが合意されました。

  • 新規ISO規格案の概要

 この新規ISO規格案は、リスク評価手法によるサイバー安全要件を定めたものであり、SMS(Safety Management System)(ISM Code [国際安全管理コード] で求められている要件を満たす安全管理システム)に組み込んで運用されることを想定したもの。船舶管理者に求められているSMSの策定・実施・維持の活動に併せて運用されることで、サイバー安全の継続的な改善が図られる。

1-4. 液化水素ローディングアームに関する国際標準化

 液化水素ローディングアームに関する国際標準化について、川崎重工業株式会社の猪股昭彦氏がプレゼンテーションを行いました。このなかで、水素社会のインフラとして大量な液化水素の海上輸送が必要であり、その主要な要素の一つである船陸間の移送に用いるローディングアームの開発を進めていること、また、この開発では液化水素が極低温の液体貨物であること、水素分子が小さく的確な漏洩対策が必要なことなどから特殊な新技術が導入されること、そのため国際間での円滑な輸送と安全の確保には世界各地の港湾で同一のシステムが構築できるよう国際標準化が必要であること、近々そのための提案を行う予定であるとなどが紹介されました。

. 併催されたSC6における審議結果

 TC 8に併せて、東京海洋大学の庄司るり教授が議長、当会が国際事務局を務めるISO/TC 8/SC 6(航海及び操船分科委員会)が開催され、以下の我が国提案について、SC 6の予備作業項目(PWI)とすることが合意されました。

 これらの我が国からの提案は、日本財団助成事業に基づく、当会の船舶関係工業標準化事業として調査研究を今年度より実施しているものです。

  • ISO 19848(船上機械及び機器用データ標準)の附属書B(ローカルID定義 "jsmea_mac"の例示)の改訂

    概要: 現行のISO 19848の附属書BのローカルID定義 "jsmea_mac"には、機関データしか例示されておらず、かつ、解説も無いため、利用者にとって理解し難く十分に活用されていないのが現状である。このため、機関データの解説の追加、更には今後の船舶のAI・IoT化(船舶の自動化等)に対応するため、機関データに加え、航海データ、運航データ、船体状態・強度データ、荷役関連データ等にも拡張し、内容を充実させる。

  • 電子海図表示装置(Electronic Chart Display:ECD)の新規作成

    概要: 昨今のIoT化の流れのなかで、航海の分野においてもユーザー・ニーズにマッチした各種装置の開発が各メーカーにより進められている。その一つとして、電子パッド上に海図を表示し、これまでの紙海図の機能を代替することができ、かつ、操作が簡単で便利な機能を備えた電子海図表示装置 (ECD: Electric Chart Display) が開発されている。この国際標準化を行うことにより、これらの機器の普及促進を図るとともに、この標準に基づく製品が将来的にECDISのバックアップとしての紙海図の代替手段となることを目標とする。

 3.その他

 次回ISO/TC 8総会は2019年9月中旬にシンガポールで開催されることになりました。

 


 
 


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