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■国際基準への適合支援

 

【インベントリ事業】 

 シップリサイクル条約及び一般財団法人 日本船舶技術研究協会(JSTRA:ジストラ)が提供する現存船インベントリ作成サービスの概要は次のとおりです。 JSTRAの作成サービスの手順、手続き、費用等、また内航船の関わりについては、別項に詳細を説明していますので、合わせてご覧ください。 

 

1. シップリサイクル条約

 2009年5月15日、船舶のリサイクルにおける労働災害や環境汚染を抑制することを目的とした「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港条約〔仮称〕」(通称:シップリサイクル条約)が採択されました。

同条約の規制の枠組みは、船舶要件と船舶リサイクル施設要件からなります。

船舶要件にあっては、有害物質の搭載制限、インベントリ(船舶の有害物質一覧表、IHM:Inventory of Hazardous Materials)の作成、インベントリ国際証書の発給、定期的検査等が規定されており、船舶リサイクル施設要件にあっては、施設の認可と検査、船舶リサイクル計画の作成等が規定されています。

このうち、インベントリについては、同条約の適用船について作成する義務があり、これに関する国際証書を備え付けていないと国際航海が出来なくなります。

  同条約はその発効要件を満足してのち24カ月後に発効することになっており、早ければ2017年中に発効すると見られています。

  同条約を実施するための種々の指針(ガイドライン)が準備されており、インベントリについては「有害物質インベントリ作成ガイドライン」が2009年7月に採択され、さらに2011年に改正採択されています。

 

2.適用船舶

  シップリサイクル条約の船舶要件の適用船舶は、国際トン数 500トン以上の商用船です。艦艇、官庁船のほか寿命の間EEZ(排他的経済水域)内を航行する船舶は非適用です。即ち建造から解体に至るまでの間、EEZ内にとどまる内航船や漁船は非適用です。ただし、これら内航船や漁船であっても海外売船などのためEEZを超えて航行する際には直ちに適用となります。

  なお、同条約の取り決めを国内で実施するにあたっては、国内法が制定されます。同条約における非適用船の国内での取り扱いについては、今後の国内法の準備の中で検討されることになっています。

 

3.インベントリの構成

  インベントリは第Ⅰ部から第Ⅲ部までの3部で構成されます。

  インベントリ第Ⅰ部に記入する有害物質は船舶の構造又は機器に含まれる物質です。このうち、アスベスト、有機スズ化合物、PCB、オゾン層破壊物質の4物質は禁止・制限物質又はA物質と呼ばれます。さらに、カドミウム、六価クロム、鉛、水銀などの9物質は特定化学物質又はB物質と呼ばれます。インベントリ第Ⅰ部は船舶の建造時または就航中に作成します。

  インベントリ第Ⅱ部に記入する有害物質は廃油、汚水などの運航中に発生する廃棄物です。インベントリ第Ⅲ部に記入する有害物質は家電など民生品や潤滑油などの貯蔵物です。これらの2つの部はリサイクルの直前に作成します。

  今日の段階では、インベントリと言えば、一般にインベントリ第Ⅰ部のことを指します。

 

4.新船のインベントリと現存船のインベントリ

  インベントリ第Ⅰ部の作成方式には新船方式と現存船方式の2つがあります。

新船方式のインベントリは、一般に造船所が、設計・建造段階で部品、材料、機器メーカーから材料宣誓書(MD:Material Declaration)という有害物質に関する情報を収集して作成します。

  現存船方式のインベントリは、一般に作成専門家(Expert)が、船舶の構造又は機器の現状を図面や現物で調査し、解析やサンプル分析を行うことで作成します。

シップリサイクル条約が発効後した後に建造契約を結ぶ船舶(新船と言います)について作成するインベントリの作成方式は、新船方式であることが必要です。一方、新船以外の船舶は現存船と言い、現在就航中の船舶はもちろん、今後、シップリサイクル条約が発効するまでの間に建造される船舶も含みます。現存船について作成するインベントリは新船方式でも現存船方式のいずれでも構いませんが、新造船である場合には新船方式で作成することが望ましいとされています。現存船方式で作成する現存船のインベントリのことをJSTRAでは実務上「現存船インベントリ」と呼んでいます。

 

5.現存船インベントリの作成手順

  現存船インベントリはシップリサイクル条約の有害物質インベントリ作成ガイドラインにおいて、次のように作成手順が決められています。

   ① 図面や修繕履歴など技術情報の収集

   ② 図面や修繕履歴など技術情報の解析と整理

   ③ 実船調査の計画書の作成

   ④ 実船調査による現物確認並びにサンプルの採取及び分析

   ⑤ インベントリ書類の作製

 

6. JSTRAによる現存船インベントリ作成

JSTRAは2007年度より日本財団殿の助成を受けて、シップリサイクル条約関係の調査研究を行い、現存船インベントリの作成実験などを行いました。その後2008~2009年には、国土交通省殿、(一財)日本海事協会(NK)殿、(社)日本船主協会殿及び海運各社殿のご支援、ご協力を得て、外航船30隻の現存船について実際的な現存船インベントリを作成しました。そして2010年から現在(2014年4月)までは、作成対象の船種を外航船のほか内航船、外航旅客船、海洋調査船などにも広げ、さらに120隻以上の船舶について作成に取り組むことで実績を積み重ねてきました。

現存船インベントリは一般に作成専門家(Expert)が調査し解析して作成することになります。このため、JSTRAでは船舶・有害物質に関する深い知識と多くの経験を有する専門家の養成を行ってきており、現在までに、JSTRA内部の専門家及び外部の専門会社の専門家を合わせて約90人を認定しています。

  また、条約規則への適合が確実で、また効率的な作成を行うためには、材料、部品、機器に含まれる有害物質情報を集めたデータベースや、調査手順を記した作成マニュアルなどを使用することが有効ですので、JSTRAではこれらの構築と改良に取り組んできました。

  さらに、作成した現存船インベントリの品質を確保し、船主殿をはじめ作成依頼者の満足度を向上していただくため、JSTRAでは2010年12月に、現存船インベントリの作成業務に関して国際標準ISO9001(品質管理)の認証を取得しました。

  このように、JSTRAは現存船インベントリ作成体制の整備を着実に進めてきました。

 

7.現存船インベントリの作成時期と作成所要日数

  まず、作成の期日についてですが、シップリサイクル条約の規定によれば、現存船は条約が発効した日から遅くとも5年を経過するまでにインベントリを作成しなければならないことになっています。しかし、内航船については、条約の発効後は海外売船などの際には直ちに必要となるので注意が必要です。条約の発効は早ければ2017年と見られていますが、その24カ月前には発効日が確定することになっています。発効後は勿論のこと、発効日の確定が近づくと、現存船インベントリの作成要求が急激に増加するものと考えられます。作成の必要な隻数は、現在就航している隻数から推定すると、外航船と内航船を合わせて数千隻にも上る可能性があります。

  次に作成の機会を考えます。現存船インベントリの作成調査においては、前述のように実船調査を欠くことができません。実船調査の日程は予め確定することが必要であり、また、サンプル採取のための準備、復旧のための工事が必要な場合があることや、修繕履歴や保守管理状況をヒアリングするために、乗組員の立会が不可欠です。これらの理由から、実船調査のタイミングはドック入りする機会がベストであると言えます。(ただし、本船側に特別な事情があり、調査にも支障がない場合には荷役中などの浮上中に行うこともあります。)

  作成の所要日数は、作成申し込みのあと、前述の作成手順を経て、後に述べる適合証(鑑定書)の交付を受けるまで、少なくとも2カ月、一般には3カ月程度が必要です。

  以上の点から作成の時期を考えますと、作成調査は随時に、また短期間で出来ると言うものではなく、年間に1回程度でしかないドックの機会を見据えながら、計画的に、また作成業務が輻輳しない早い時期に設定しておくことがお勧めです。

 

8.現存船インベントリの作成手続き

  書類関係では、作成申し込み者(船主殿等又は代理者)は最初の「見積依頼書」に必要事項を記載するだけです。後に続く作成申込み、委任、適合証(鑑定書)交付などの書面はJSTRAで準備してお送りしますので、作成申し込み者にあってはそれらの内容を確認して署名・捺印するだけでよく、いたって簡単と言えるでしょう。

そのほか作成申し込み者にしていただくことは、図面を貸与してもらうこと、実船調査の場所・時期などの打ち合わせに応じてもらうこと、修繕造船所から実船調査のための作成専門家の立ち入り許可を得てもらことなどです。

作成専門家への技術指示、サンプル分析機関の手配のほか、適合証を交付る国土交通省殿等への説明や調整なども一切、JSTRAが行います。

 

9.現存船インベントリの検証

  シップリサイクル条約の規定では、作成した現存船インベントリは国又は船級協会による検証を受けることが必要となっています。そして検証後にはインベントリ国際証書が交付されます。

  発効前の今日でも、国(国土交通省殿)による「適合証」の交付サービスが2012年4月1日から開始されました(無料)。これは、日本船舶について、作成されたインベントリがシップリサイクル条約の有害物質インベントリ作成ガイドラインに適合していることを証するもので、交付を受けるには的確、適正なインベントリをもって申請することが必要です。JSTRAでは作成した現存船インベントリについて、作成申し込み者から委任を受けて申請、説明、受領、送付のサービスを行っています。

  また、日本海事協会殿は従来より、作成されたインベントリに対する「鑑定書(SOF)」の交付サービスを行っています。

  交付された「適合証」又は「鑑定書(SOF)」は条約発効後には、一定の条件のもと、所定の手続きを経て、原則としてインベントリ国際証書に切り替えられることになっています。

 

10.連絡先

   JSTRAへのお問い合わせ先は次のとおりです。

     電話 : 03-5575-6429 業務グループ

     FAX : 03-5114-8942

     E-メール : shiprecycle@jstra.jp

 

 

【フロシオ事業】

 2008年7月からフロシオ塗装検査員資格認定試験及び更新手続等を実施していましたが、

2014年6月30日をもって当該事業を終了しました。

 

 認定試験についてのお問い合わせは、(株)日本ピーエッチバリュー(03-5275-5834)に

お願いします。

 

 更新手続についてのお問い合わせは、日本フロシオ会(03-5275-5834)にお願いします。

 

 
 


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