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第5回船技協標準化研修(中級編)の開催結果報告

  近年、国際貿易における国際規格の役割の増大、IMOで策定される国際条約等と国際規格の関連性増大等、船舶分野の国際規格を取り巻く状況は大きく変化してきています。

このような状況に対応して、当協会では、日本財団による助成のもと、「船舶に関する国際標準への日本の取組方針」を取りまとめ、同方針に基づき、取組を行っています。

この一環として、標準化に関する人材育成を目的とした標準化研修をこれまでに入門編を3回(2013年度:東京、2014年度:大阪、2015年度:博多)、中級編を1回(2016年度:東京)、合計4回開催しています。

今回は、昨年度に引き続き、中級編レベルの研修として、国際標準化においてある程度のご経験を積み、国内・国際の場で更なる活躍向上を目指している方を対象に、ISO/IEC国際標準に携わるうえで必須となるISO/IECのルール書 (ISO/IEC Directives) の概要に関する講演を行いました。

さらに、今回は上記に加えて、ISO/IECのルール書の実践として、例示を用いながら、ISO国際標準を実際に作成するための研修も行いました。

開催結果の概要は、以下のとおりです。

 

1.日時及び場所

日 時:2017年8月9日(水) 13:00~17:15

場 所:大阪(ホテルグランヴィア大阪)

参加者:55名(募集50名)

 

2.内容

 

開会挨拶            三谷常務理事より、開会挨拶を行ないました。

 

講義1.  船舶関係国際標準化の動向(当協会特別研究員 金子栄喜)

  冒頭で、当協会の沿革を紹介した後、船舶関係国際標準化に関する国際動向として、当協会が国内審議団体を務めるISO及びIEC国際委員会における国際規格開発状況の概要を説明しました。また、「戦略的規格提案等の実施」及び「対応体制の強化」を柱とする当協会の船舶関係国際標準化への取組み概要を説明しました。

講義2.   ISO/IEC Directives Part 1の概要

 ~ ISO/IEC規格の開発及びメンテナンスのための国際委員会、国際投票などの各種ルールに関する概要説明

(一般財団法人日本規格協会 国際標準化ユニット 千葉祐介 氏)

  ISO/IECのルール書であるISO/IEC Directives Part 1の概要等を説明し、TMB(技術管理評議会)の役割や国際規格(ISO規格)の開発手順について説明しました。規格開発手順ではコンセンサス及び国際市場性への配慮が特に重要であること、ISO規格の開発期間は最大で48ヶ月まで設定可能であるが、この期間で開発が出来ない場合はTMBへの申請が必要になるなど開発中止の可能性が生じるため注意を要すること等を説明しました。また、直近のルール改定に伴い、ISO規格制定前の技術的意見の反映される可能性のある最後の投票である国際規格案(DIS)投票に関しては、投票結果が承認基準を満たした場合は、技術的変更が生じなければ、ISO規格制定段階に進み、技術的変更が生じれば、賛否のみを問うISO規格制定前の最後の投票である最終国際規格案(FDIS)投票へ進む必要があるが、もう一度DIS投票を行うことはできなくなったことを説明しました(第2次DIS投票が実施できる場合は第1次DIS投票結果が承認基準を満たさなかったときのみ)。上述のように毎年5月1日にルール改定が行なわれており、国際規格に携わる場合には注意を要することを説明しました。

 

講義3.  ~ISO/IEC Directives Part 2の概要 ISO/IEC規格票の様式に関する概要説明

              (一般財団法人日本規格協会 国際標準化ユニット 千葉祐介 氏)

  ISO/IEC規格票の様式を定めたISO/IEC Directives Part 2が2016年に5年ぶりに全面改訂されたことを説明しました。大きな変更点としては、国際規格を作成する上で必須の要件として「Title(名称)」、「Foreword(まえがき)」、「Scope(適用範囲)」、「Normative references(引用規格)」及び「Terms and definitions(用語及び定義)」を含めなければならないことを説明しました(引用する規格及用語が無い場合でも項目建は必要)。更に、国際規格を用いる上で強制か、推奨か、任意かの判断の分かれ目となるshall、should、may、canの解釈についての説明など、実際にISO/IEC国際規格の作成を行ううえで必要となる情報を提供しました。また、ISO/IEC Directives Part 2のAnnex Aで定められているチェックリストが、作成した国際規格がISO/IEC Directives Part 2を満たしていることを確認するために有益であることを説明しました。

 

講義4.  ISO規格作成に関する研修

(当協会基準・規格グループ 規格ユニット 規格チームリーダー 長谷川幸生)

  ISO国際規格を提案するために必須となる提案書(ISO Form 4)の書き方について、過去に日本が主導して作成したISO 19697:2016(電子傾斜計)を例にして、具体的な書き方を説明しました。この説明に続いて、受講者がグループに分かれ、JIS F 8008:2016(船用電気照明器具)を基にISO Form 4を作成する演習を行い、受講者の代表者の発表及び発表内容への講評などが行われました。また、ISO 19697:2016を例とした実際のISO規格の書き方を詳細に説明しました。その他、講師の私見として、現在のJIS規格はISO/IEC規格と同じ構成になっており、JIS規格が作成できれば、ISO提案書であるISO Form 4も作成でき、ISO/IEC規格の作成も難しくはないことを説明しました。また、自社だけでの作成に不安がある場合は、当協会のISOコーディネーター制度を活用して欲しいことを伝えました。

 

【受講者アンケート結果】

 受講者アンケートでは、70%の受講者が分かり易いと回答し(そうは思わないは2.7%)、76%の受講者が今後の業務に参考になったと回答いただいており(そうは思わないは5.4%)、概ね高評価を頂いたと考えております。また、今回の研修で初めて実施した、ISO国際標準を実際に作成するための講義に関しましても高評価を頂きました。頂戴したご意見を反映させながら今後も研修を継続してまいります。

 

以上


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開催挨拶

(当協会常務理事 三谷泰久)

 

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船舶関係国際標準化の動向

(当協会特別研究員 金子栄喜)

           h3.png

ISO/IEC Directives Part1&2の概要

(日本規格協会 千葉祐介 氏)

 

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ISO規格作成に関する研修

(当協会基準・規格グループ 規格ユニット 長谷川幸生) 

 

h5.png講義4でのグループ演習

 
 


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