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IMO会議報告

IMO/MEPCシップリサイクル作業部会中間会合の結果報告~

5月7日から11日まで、英国ロンドンにおいて海洋環境保護委員会シップリサイクル作業部会中間会合(MEPC-ISRWG)が開催されました。本会合ではシップリサイクル条約の策定作業が逐条ごとに行われました。その審議結果は以下のとおりです。なお、この結果は7月開催のMEPC56に送られ審議される予定です。

【これまでの背景・経緯】
シップリサイクルに関しては、2004年12月のIMO総会において、Resolution A.981(24)が決議され、2008年~2009年の新条約の採択を目指すこととされています。これまで、条約骨子((1)安全・環境上適切なリサイクルを行うための船舶の設計、建造、運航中の管理及びリサイクル準備、(2)安全・環境上適切なリサイクル施設の要件と運営、(3)これらを確保するためのスキーム(検査、証書及び通報システム等))や附随するガイドラインの必要性等について議論され、昨年3月のMEPC54から条約案文についてノルウェー提案をもとに本格的な議論がスタートしました。
今次会合は、本条約の審議の進展を図るため、本年7月開催予定のMEPC56に先駆けて開催されました。

【審議概要】
今次会合においては、条約の逐条ごとに議論され、現状の条約原案の問題点等が明らかになった。主な審議内容は以下のとおり。

(1)条約の適用について
・「現在の条約案では適用とされている国際トン数やIMOナンバーを持たない純粋な内航船・内水バージも、政府所有船および国際総トン数500GT未満の船舶と同様に適用除外にすべき」との米国等の提案に対し、国際航海に変更した場合の取扱いをどうするか等の問題が指摘され、内航船を除外することは今後検討されることとなった。
・非締約国のリサイクルヤードではリサイクルできない旨の規定に対し、インドより「優良なヤードの場合にはリサイクルを認めるべき」との提案があった一方で、「インド提案は条約の根本的な変更を意味することとなり条約全体の見直しが必要になるので慎重に検討すべき」との意見があり、結論は見送られた。

(2)有害物質一覧について
・有害物質一覧作成・維持・更新にあたっては、より明確な作業負担の把握が必要と意見が出された。
・現存船の初回検査の時期については、対象隻数、検査準備作業量等を分析した上で検討する必要があることが認識された。

(3)通報要件について
・通報要件(リサイクル国の異議通告期間の設定等)について、リサイクル施設と船舶の旗国政府との間で受け入れ要件を調整できるようにする柔軟な案が米国から提出され今後の検討に委ねられた。

(4)その他
・インドよりリサイクルヤードにおける熱作業のためのガスフリーの重要性が訴えられ、各国の賛同を得た。
・条約発効要件については未検討であり、今後検討されることとなっている。
・当初審議される予定であった我が国提案の①有害物質一覧表作成ガイドライン、②検査及び証書ガイドライン及び③安全・環境に適したシップリサイクル(施設)のためのガイドラインについては、時間的制約から審議できず、次回MEPC56において審議されることとなった。

【解説】
(1)条約の適用について
・政府所有船および500GT未満の船舶への条約の適用
デンマークから「現在の条約案では非適用とされる政府所有船および500GT未満の船舶についても、運航されなくなった段階で本条約を適用すべき」旨提案があり、多数の国がこの提案に興味を示し、更なる検討を行うこととされた。
また、米国、中国等から「純粋内航船や内水バージについては、500GT未満の船舶同様、適用除外にすべき」との提案があったが、その場合、「内航船がひとたび国際航海をした時には条約適用になるがその場合どう担保するかという問題がある」という指摘があり、ブラケット付きで内航船は適用除外とされたが、今後更なる検討を行うこととされた。

・非締約国のリサイクルヤードの使用
インドから「同国は条約の批准に時間を要する可能性があるため、非締約国内の環境上適正とされるリサイクルヤードについては、締約国からの船舶の受け入れが認められるべき」との提案があり、本案は大方の支持を得た一方で、「インド提案は条約の根本的な変更を意味し条約全体の見直しが必要になる」との意見もあったため、更なる検討を行うこととされた。

(2)有害物質一覧(インベントリ)について
・現存船についてはリサイクルの直前までにインベントリを作成すればよいとの意見が示され、これに対し、新造船と現存船との間で条約の適用範囲に大きな差異があることは望ましくないが、現存船の隻数が膨大であることを考慮して条約発効時に10歳未満の船舶には10年間の猶予期間を与えるべきとの提案が行われた。本件については、現存船の正確な隻数等を把握しつつ検討する必要性が確認された。
・条約で管理すべき有害物質として、我が国提案の4つの有害物質(アスベスト、PCBs、オゾン層破壊物質、有機スズ化合物(TBT、TBTO等))をベースに、更なる議論を行うこととされた。これに関連し、ノルウェーより、3物質(PFOS類、HBCDD、TCB)の追加する提案がなされたが、詳細な議論は行われなかった。

(3)事前通報要件について
米国から、「リサイクル国に対し無条件に異議通告の権限を与えることは特別な理由もなくリサイクル船舶の受け入れが拒否される可能性があるので、リサイクル国が異議通告期間を設ける場合は、他の条約締約国に対しその旨の宣言がなされるべき」との提案があり、多数の国がこれを支持した。

審議の結果、同提案に基づき規則25(通報要件)および第16条(署名、批准、受託、承認及び加入)が修正され、これらについて更に検討していくことが合意された。






以上

●本件に関するお問い合せ先
(財)日本船舶技術研究協会 基準・規格グループ 貴島
TEL:0303-3502-2277 FAX:03-3504-2350
e-mail:
kijima@jstra.jp


 
 


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