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海洋環境保護委員会
第53回海洋環境保護委員会(MEPC53)の開催について

標記会合の概要は以下のとおり
開催場所 : IMO本部(ロンドン)
会合期間 : 7月18日~22日
議長:Mr. Andreas Chrysostomou (Cyprus)
副議長:Mr. Ajoy Chatterjee (India)
議題一覧
議題1 議題の採択
議題2 バラスト水中の有害水生生物
議題3 シップリサイクル
議題4 船舶からの大気汚染の防止
議題5 強制要件の改正に係る検討及び採択
議題6 MARPOL73/78及び関連規則の解釈及び改正
議題7 OPRC条約、OPRC-HNS議定書及び関連決議の実施
議題8 特別海域及び特に敏感な海域
議題9 受入施設の不十分性
議題10 小委員会からの報告
議題11 他の機関の活動
議題12 任意のIMO加盟国監査計画
議題13 修正されたMARPOL条約附属書Ⅰ及び附属書Ⅱの追跡調査
議題14 IMO関連条約の状況
議題15 船舶の有害な防汚システム
議題16 MARPOL73/78及び関連規則の実施及び執行の推進
議題17 UNCED及びWSSDの追跡調査
議題18 技術協力プログラム
議題19 総合安全評価及び人的要因問題の将来的な役割
議題20 委員会及び小委員会の作業計画
議題21 委員会のガイドラインの適用
議題22 2006年の議長と副議長の選出
議題23 その他の議題
議題24 委員会レポートの考察
主要議題と論点概要
議題2:バラスト水中の有害水生生物(RG)
船舶のバラスト水に水生生物が混入して越境移動することにより、生物の多様性が阻害される問題がある。これを防止するため、2004年2月に「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」が採択された。

この条約により船舶におけるバラスト水管理の規制の枠組みは規定されたが、規制の詳細な実施方法はIMOで作成される13のガイドラインによる。今次会合においては、これらのガイドラインのうち、「バラスト水管理システムの承認に係るガイドライン(G8)」及び「活性物質の承認に係る手続(G9)」が採択される予定。

本議題に係る審議は、慎重な検討を要するため、海洋環境保護委員会内にレビューグループ(RG)の設置を規定しており、これに基づき今次会合ではRGが設置され、検討が行われる予定。また、早期の条約の発効目指し、MEPC53の本会議の一週間前(7月11日から15日までの間)、中間作業部会を開催して、十分な議論を行うこととしている。

このガイドラインは、効果的なバラスト水管理の実施に資する規制でなければならない反面、実施困難な非現実的基準が設定された場合は加盟国数が増えず、条約が発効しないため、問題の解決に向けて小さな前進すらもたらさないという状況を生じかねない。

このため、当協会でも効果的かつ現実的なガイドラインを策定するための調査研究を行い、当該結果を反映したガイドライン案がMEPC53に日本提案として提出されている。
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議題3:シップリサイクル(WG)
大部分の船舶は、その使用期間を終えると解撤(スクラップ化)される。この解撤は労働単価の安い発展途上国において行われることが多いが、この際に概略すると以下のような三つの問題が発生している。
(1) (環境汚染)船舶内に残った重油等により解撤事業所周辺の海洋環境汚染が発生していること
(2) (労働安全)解撤時の労働者の安全性が確保されておらず事故や船内のアスベスト等による危険にさらされていること
(3) (有害物質の潜在的危険)三つ目は船舶内に残された化学物質が適切に取り扱われておらず、例えば船内常備薬等が不適切に売買されていることがある。
船舶のリサイクルを効率的に進める観点からIMOもこの問題に取り組んでいるが、一方で(3)の観点から廃棄物の越境移動を防止するためのバーゼル条約(事務局は国連環境計画(UNEP))の枠組みで検討が行われてきた経緯もあり、この数年間(2)の観点では国際労働機関(ILO)、(1)の観点ではバーゼル条約事務局である国連環境計画(UNEP)が関与すべきとの認識から、三つの国際機関が互いに情報を共有し合いながら作業を継続してきた。

本年2月15~17日には、ILO/IMO/バーゼル条約共同作業部会が初めて開催され、MEPC53ではこの結果 について検討することとなっている。

MEPC53の本会議の前週に三日間の中間作業部会を開催して、十分な議論を行うこととしている。
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議題4:船舶からの大気汚染の防止(WG)
【大気汚染防止】
船舶からNOx, SOx等が排出されることによる大気汚染を防止するため、MARPOL73/78条約の附属書VIが本年5月19日に発効した。

本年2月の設計・設備小委員会においては、MARPOL73/78条約の検査と証書の調和を図る観点から「検査ガイドラインに係る統一的解釈」についての提案があり、同小委員会で検討された。MEPC53ではこの小委員会の検討結果について審議することとなっている。

当協会は、本議題に関連して以下のような事項についてこれまで取り組みを行った他、今次会合に対して提案、プレゼンテーションを行う予定。
  • 窒素酸化物の排出規制は強制決議「NOx テクニカルコード」によって詳細に規定されており、MEPC49 において定期的な検査時の検証方法の一つとして船上での排出量のモニタリングガイドラインが採択された。しかしながら、検証実績が乏しいことから、検証の運用面で懸念が残っており、当協会ではNOx モニタリング法(MEPC.103(49))に基づく検証方法でIAPP 証書再認証シミュレーション試験を行っている。MEPC53では、本調査研究の成果をプレゼンテーションで紹介する。
  • また、今後附属書VI は定期的に見直されることとなっており、NOx 規制が一層強化されることが目されている。より厳しい規制の下では、船上排ガス洗浄装置(脱硝、脱硫)の必要性が高まるため、IMO における諸装置のガイドラインの作成が予測される。既に欧州においてはSCR 脱硝装置が多数の船舶に実用化されているが、SCR 脱硝装置のガイドライン案のIMO 審議に出遅れることにより、日本の既存の技術に影響が及ばぬようまた、日本の技術と知見を背景にIMOの審議に貢献するよう、当協会における調査研究を反映した提案が日本から提出されている。
  • 窒素酸化物、温室効果ガス、硫黄酸化物などの有害排気エミッション全てを網羅する評価基準は、今後、船主が自発的に各船の環境に対する配慮を進める上でも、その度合いを評価する指針が必要となってくる。IMO に対して、その必要性と具体的日本案をプレゼンテーションで紹介する。
【地球温暖化防止】
一方、地球温暖化防止の観点から、船舶からの温室効果ガス排出抑制についても検討が進められているが、特にMEPCでは以下の作業を進めることとなっている。
(a) GHG 排出ベースラインの構築
(b) GHG インデックスによる船舶のGHG 効率の算定方法の開発(CO2 が主なガスであると認識)
(c) GHG インデックスの適用方法
(d) 技術的、運用的及び市場での解決方法の評価
今次会合では、船舶から排出されるCO2の排出インデックスを作成管理するCO2排出インデックス・スキームに係るガイドラインを策定することとしている。

当協会でも、船舶の運航、性能等の実態及び船舶運航者のGHG 排出報告の実用性・実行性等を調査して、船舶からのGHG 排出インデックス、GHG 排出ベースライン及びGHG 排出報告方法などの国際基準案を作成する資料を得て、船舶からのGHG 排出インデックス案をドラフトし、日本提案として提出している。
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議題5:強制要件の改正に係る検討及び採択(DG)
THE CONDITION ASSESSMENT SCHEME(CAS)の改正
老朽タンカーによる相次ぐ油汚染事故に対応するため、タンカーの状態を評価するための検査スキーム(CAS)が2002年のMEPC46で採択された。その後MEPC48,MEPC50でMARPOL73/78条約の改正に伴い当該CASも改正されてきた。
(MEPC.94(46), MEPC.99(48), MEPC.112(50))

MEPC53においては、2004/10/15に改正され、2007/1/1に発効予定のMARPOL73/78 Annex Iの全面改正(度重なる改正で条項が複雑化した現Annex Iをより簡素化する目的で改正)を受けて、現条番号を新条番号に修正する他、DWTに関してton又はmetric tonneという表記をtonneに改める修正(メートル系でトンはtonneと表記される)が改正案として採択される予定。
なお、改正のタシット方式の受諾日は2006/7/1、発効日を2007/1/1とすることが提案されている。
MARPOL73/78付属書VI 及びNOxテクニカルコードの改正
船舶からNOx, SOx等が排出されることによる大気汚染を防止するため、MARPOL73/78条約の附属書VIが本年5月19日に発効した。

MEPC53においては、MARPOL73/78全体の検査と証書の調和の観点からの改正、検査基準日、中間検査に係る規定の追加及び証書の修正を行う他、SOx排出規制海域に北海(The North Sea)を追加する改正案が採択される予定。
なお、改正のタシット方式の受諾日は2006/5、発効日を2006/11とすることが提案されている。
 
 


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