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IMO会議報告
 
航行安全小委員会(NAV51)の結果について
 
 6月6日から10日までIMO本部(ロンドン)において、標記会合が開催されました。同会合の結果概要を以下の通り報告致します。
 
1.INS及びIBSの性能基準の見直し(議題4)
 今次会合では、統合航法システム(INS)及び統合船橋システム(IBS)の性能基準の見直しに関するコレスポンデンスグループ(CG)(NAV50で設置)の報告について審議されました。以下概要
 
INSの性能基準を作成した後に、現行のIBSの性能基準を見直しするものとする2ステップ方式で検討を進めることが合意されました。
CGから報告のその他の内容についても、多数の国に支持されております。
INSの性能基準については、その構成や含まれるべき項目についての見直し案が作成されました。
船橋警報管理システムの性能基準の作成の必要性について合意された他、これはINS性能基準の中に含まれるべきものであるとの合意も得られました。
次会合でも新たにCGが設置され、本件に係る検討がCGにおいて継続されることとなりました。
 
 当協会では、平成16年度RR-SP6(片山瑞穂プロジェクトマネージャー)の下、上記CGに対応する一方、今次会合で上記のとおり合意された当該案件の検討の進め方や性能基準の構成について提案を取りまとめ、日本提案として文書を提出しました。
 
 簡易AISについて
 一方、本議題の下でSOLAS条約非適用船舶用の簡易AIS(IECでは「Class B- AIS」と呼ばれており、通信方式はCSTDMA方式。)のIEC国際標準案(現在IECで検討中)についての審議がありました。
 これについては、既存の条約対象船用のAIS(IECでは「Class A-AIS」と呼ばれており、SOTDMA方式。)への運用上の悪影響についての懸念が表明され、Class A-AISと同じ方式の技術を採用すべきとの意見が出されましたが、これに対し、当該意見の既存のClass A-AISへの悪影響を緩和する手法に関しては、某企業が有する知的所有権が絡んでおり、その企業を資するだけとのコメントもありました。また、特許料の観点からコストの安い方法で普及させるべきとのコメントがあり、数カ国がこれを支持しました。
 結果として、どちらの方式が良いか等については結論が得られず、ただ単に「Class A-AISとの調和を考慮した動作を行う条約非適用船用のAIS(SOTDMAやCSTDMA方式のもの)が早期に開発されるべき」と結論付けられました。
 
2.ECDIS(Electronic Chart Display and Information System)の使用の評価
及びENC(Electronic Navigational Chart)の開発(議題6)

 本件に関しては、まず初めにNAV50で設置されたコレスポンデンスグループ(CG)の検討結果が報告され、その後各国のコメントが求められました。
 CGの報告では、IHOによるENCの刊行は今後5年間で十分整備されることが予想されるとして、SOLAS条約規則V/19.2.8及び2000年高速船コードの改正により、現存船や内航船も含め主として船種別に異なる期限を定めた上で、ECDISの搭載を義務化することが提案されていました。
 
 当協会ではこのCGの結論に対し、本年2月以降、国内関係者による検討会を開催し、ECDISの役割並びに安全確保及び海洋環境保護に対する貢献の可能性については十分認識するものの、以下の理由により全船種に対する強制化は時期尚早であるとの結論を得ました。この結論を基に日本提案文書が今次会合に提出されました。
 
貨物船に係るFSA(Formal Safety Assessment)及びEconomic Impact の評価が欠落している
特定の海域でENCが未だ整備されておらずいつまでに出来るか誰も約束できない状況である
多数の国がRCDS(Raster Chart Display System)モード(紙海図を模写しただけの参照海図を表示するモード)でのECDISの使用を安全の観点から認めていない。すなわちECDISが使えない。
多くの海域では依然として「紙海図」を必要とするため、船舶の負担が増えるだけである
 
 今次会合における審議では、上記日本提案に対して多くの海運国や産業界が賛意を表明する一方、欧米を中心とする各国は強制化を支持し、議論は紛糾しました。
 最終的に、高速船についてはECDIS搭載の必要性が認められ、強制化が合意されましたが、全船種に対する強制化に係る議論については今後会合における審議に持ち越されました。
 次回会合までに、ノルウェーが提示した大型旅客船に係るFSAについて、船種の範囲を拡大したFSAがノルウェー、英、スウェーデン及びロシアにより実施されるとともに、来年5月に開催予定のMSC81においてECDIS搭載強制化の検討に係る新規議題の提案が行われる見込みであり、そうなった場合の規則採択は2007年5月開催予定のMSC83で行われると見込まれます。
 
 当協会でも、全船種に対するECDIS強制化の必要性の有無を正当に評価し、次回会合において合理的な審議が行われるよう、必要な資料を準備したいと考えます。
 
3.その他
 各国から提案されている特別に敏感な海域(Particularly Sensitive Sea Area)における追加的措置(主に環境保護に係る措置)について審議が行われ、カナリー諸島等に避港水域が設定されることが合意されました。
 
以上
 
 
 


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