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第10回 ISO/TC8/SC8(船舶及び海洋技術専門委員会/船舶設計分科委員会)

ロンドン総会結果報告 

 2016年1月25日~27日にロンドンにおいて、第10回 ISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)/SC8(船舶設計分科委員会)総会及びSC8下部組織のワーキンググループ(WG)が開催されました。
 TC8/SC8総会には5カ国(日本、中国、韓国、インドネシア及びUK)および1リエゾン(NACE:防食技術者協会)からの参加があり、日本からは、蓮池伸宏氏(ナカシマプロペラ株式会社)、佐藤圭氏(三菱重工業株式会社)、坂本信晶氏(国立研究開発法人海上技術安全研究所)および長谷川幸生(当協会 基準・規格グループ規格ユニット規格チーム)が参加いたしました。

今次会合では以下のスケジュールで審議が行われました。

      
1月25日

 AM(09:30-12:00)(議長国)

 SC8/WG10 LNG船用傾斜計(韓国) 

 PM(13:00-17:00)(議長国)

 SC8/WG14プロペラキャビテーション(韓国)


1月27日

 AM(09:30-12:00)(議長国)

 SC8/WG12船舶振動(中国)&    
 SC8/WG13船舶騒音(中国)

 PM(13:00-17:00)(議長国)

 SC8/WG15 カソード防食(NACE)


1月28日 SC8総会(韓国)

今次会合での審議結果は次のとおりです。

【審議結果概要】
1) SC8/WG10(LNG船用傾斜計作業委員会/コンビーナ:韓国)


(検討対象規格:ISO/WD19636, LNG船のトリム及びリストの測定に用いる傾斜計の一般要件)
 これまでの議論を通じて技術的な意見の反映は終了しているところ(日本の意見も反映済み)、今次会議ではDIS(国際規格案)投票を実施するため規格としての様式(構成)のチェックを行いました。
 今次会議及び今後コレスポンデンスグループを通じて重複規定の削除、規定の補足などを行い、2月末にDIS投票用文書を取り纏めることが合意されました。

2) SC8/WG14(プロペラキャビテーション作業委員会/コンビーナ:韓国)

(検討対象規格:ISO/WD20233, プロペラキャビテーション騒音評価試験法)
 これまでの審議を通じて日本が提出した、当該ITTC基準との整合化及び国内で用いられているWire-mesh法に関する規定の追加は採用されており、今次会議では、前回会合(2015年7月上海)において暫定採用となっていた、7.6項Other Option for Full-scale Noise Predictionについて、経験式(Brown式等)・数値流体力学(CFD)を援用した計算法の採用を求める日本意見への審議が行なわれ、認められました。
 また、今次会議にて韓国より新たに提案された8項「模型プロペラキャビテーション騒音計測結果に対する不確かさ解析」及び9項「模型プロペラキャビテーション騒音計測結果の報告形式」についても対応を行ない、前者については「キャビテーション騒音計測の不確かさの定量化は難しい」ことのみを規格本文中に記載し、残りの技術的な記述は全てInformative Annexで記載し、後者は削除することになり、こちらについても日本意見が全面的に採用されました。
 その他、今後の作業スケジュールについても日本意見に基づき、次回会議(2016年7月上海)でDIS投票用文書の最終確認を行い、8月末にDIS投票を行なうことが合意されました。

3) SC8/WG12(船舶振動作業委員会/コンビーナ:中国)


(検討対象規格:ISO/WD20154, 舶用補機の振動防止のための設計方法に関する指針)
 今次会議ではWebEX(テレビ電話)で参加したUSA専門家から、ISO/TC108/SC2/WG2(船舶振動作業委員会)で作成されている関連ISO規格との整合を求める意見が出され、反映することになりました。
 日本としては情報収集を主体とした対応を行ないましたが、1項(Scope)の記載に主機関の振動防止と誤解を生む可能性のある記載があったため、補機用機関(発電機用機関)と明確にするなど、規格作成に貢献しました。
 次回会議(2016年7月上海)で再審議を行い、その後CD(委員会原案)へ進めることになりました。

4) SC8/WG13(船舶騒音作業委員会/コンビーナ:中国)


(検討対象規格:ISO/WD20155, 補機ポンプ配管からの船舶騒音の測定)
 水中騒音軽減のための一つの取り組みのため中国から提案されているもので、日本としては情報収集を主体とした対応を行ないました。
 この規格はISO/TC43/SC3(水中の騒音分科委員会)における標準化の議論を考慮しつつ作業を進めていることが説明されましたが、船内環境を考慮しない実験室における測定方法を定めているため、船舶用ISO規格として取り扱うことへの疑問(陸用と何が違うのか)が払拭されず、審議は活性化しませんでした。
 次回会議(2016年7月上海)で再審議を行い、その後CD(委員会原案)へ進めることになりました。

5) SC8/WG15(カソード防食作業委員会/コンビーナ:NACE)


(検討対象規格:ISO/WD20313, 船舶及び海洋技術-船舶用カソード防食)
 NACE及び欧州に於ける検査を念頭に欧州規格であるCEN規格を基礎に開発を進めることになり、今後WG参加各国に対して原案作成作業分担引き受けの是非が問い合わされることになりました。
 また、今次会議においてコンビーナは船体外板のカソード防食に留まらず、バラストタンク・ポンプなどの船内設備も含めた幅広い範囲を対象とした標準化を行なうことを強く主張しましたが、TC8/SC8議長(韓国)は標準化の対象を安易に広げるべきではないことを指摘し、結論には至りませんでした。
 この議論の際、日本よりISO規格の開発はNP(新業務項目提案)投票で各国から承認された適用範囲を逸脱できないこと、ISO/TC8ではIMOを考慮したISO規格作成を実施しており、IMOにおける基準も考慮しなければならないこと、更にはISO規格とCEN規格とは位置付けが異なるため、その旨は留意すべきであることを提案し、WGコンビーナが今後のISO規格開発に当たり考慮することになりました。

6) SC8(船舶設計分科委員会/議長・幹事:韓国)


 前述のWG活動報告が確認されたほか、韓国から今後NP提案を計画している「小規模LNGタンク用高マンガン鋼の仕様」の標準化に関するプレゼンテーションが行なわれました。この提案は韓国国家プロジェクトに基づいており、IMO/CCC2(第2回貨物輸送小委員会)のINF.18としてIMOにも参考情報の提供を行なったことなどがこのISO規格案で定める内容の概要とともに紹介されました。
 なお、質疑応答の際、「小規模」の定義を確認したところ、LNG燃料船のタンク容量では5,000m3程度まで、LNG運搬船のタンク容量では10,000m3程度までを想定しているとの回答がありました。この標準化に関する情報は引き続きご提供させて頂く予定です。


7) 次回TC8/SC8総会は、今回開催と同様にSC8/WGsと併催する形で2016年7月5日-7日に上海にて開催される予定です。

 

 今次会合での討議結果等、この会議の詳細につきましては、当会会員専用ホームページ(http://www.jstra.jp/member/)をご参照ください。

 
 


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